うつ病などのメンタル的な問題で休職している方に向けた記事です
- このまま職場に復帰するのが不安
- 主治医や職場からにリワークを勧められた
- リワークについて知りたい
- 休職と復職を繰り返している
- 休職できる期間が残り少なくこのままでは退職となってしまう
実際にリワークを利用した体験談を交えて、これらの疑問や悩みを解決します
私はうつ病により約1年休職しました
休職中に主治医の勧めで半年間リワークを利用して復職し、再休職することなく働くことができています
復職するのは難しくはありません。ただ決められた時間に会社に行けばいいだけのことだからです
復職後に難しいのは、病気を再発させず働き続けることです
なぜなら厚生労働省によると、うつ病は再発リスクの高い病気だからです
うつ病の再発率は60%もあり、その後再発を繰り返すとさらに再発率が高くなるとされています。
再発を防ぐためにリワークの利用は必ず役に立ちます
この記事を読んでリワークの詳細を知ることができます
もくじ
リワークの意味:職場復帰の支援

「リワーク」(Re-Work)とは
ある程度まで回復した休職中のメンタルヘルス不調者を対象に、復職に向けたウォーミングアップを行うことをいいます。
いきなり職場へ戻って働きはじめるのではなく、専門の公的機関や医療機関などに通い、
オフィスに似た環境で実施されるさまざまな復職支援プログラムを通じて再発リスクを軽減。
療養生活から本格的な職場復帰へ、無理なくスムーズに移行させるのがねらいです。
私は主治医の紹介でリワークを知りました
そして主治医とは別の医療機関のリワークを利用しました
通院先に無くてもリワークがある別の医療機関で利用可
リワークのメリット:失敗しない復職の準備ができる

- 職場復帰に向けた準備ができる
- 就労に近い環境で生活リズムを整えられる
- 専門知識のあるスタッフ(医師・臨床心理士・精神保健福祉士)からアドバイスをもらえる
- メンタル疾患の知識を得られる
- 自分の思考の偏りに気づける
- 同じくメンタル疾患で休職中の方と情報共有できる
- 復職に向けた連携(職場・主治医・産業医など)を支援してもらえる
- 職場復帰後もフォローを受けられる
ただ家で休んでいるだけではこれらのことはできません
リワークを利用せず職場復帰すると起こりうる問題:再休職
次のような問題が起こる可能性があります
- 8~10時間就労が体力・気力的にキツい
- 休職前と同じ状況におけるストレスに対応できない
- ストレスによりうつ病が再発する
- うつ病が再発することで再休職となる
- 再休職により会社的に雇用継続が難しいと判断される
- 最悪の場合解雇される可能性がある
病状が良くなっても、休職に至った原因と解決策を練らないと、復職後働き続けるのは難しいです
理由は先ほど書いたように、うつ病は再発率の高い病気だからです
「休職⇒退職」という最悪のケースを防ぐためリワークを活用する
リワークを利用するタイミング:状態が上向きになった時

リワークは休職後ある程度病状が良くなってきたタイミングで利用するのが一般的
うつ病初期は、まず心身を休める必要があるからです
なぜなら体力・気力が非常に低い状態にあるためです
休職中の理想の過ごし方:休む⇒リワーク⇒復帰
休職当初は心身を十分に休ませることが重要です
ただしある程度病状が良くなってくると話は変わってきます
ただ家で休むだけでは、職場復帰後のうつ病再発リスクは高いままです
そこで次のような対策が必要です
- 8~10時間の就労に耐えられる体力・気力を取り戻す
- 休職に至った原因を掘り下げる
- 復帰後の再発防止策を練る
- ストレス対処法を学ぶ
- 再発を防ぐためメンタル疾患の知識を得る
リワークではスタッフのフォローを受けながら、段階的にじっくり取り組めます
具体的なストレスへの対処方法を学んで実践することができます
病状が上向きになった時に利用する
リワークの費用:自立支援医療制度で1割負担に

気になるのは費用ですよね
私の利用したリワークは、3割保険適用で1日あたり約3,000円、1週間で約15,000円、1ヶ月で約60,000円です
半年通うと360,000円
ご安心ください。自立支援医療制度という公的な支援があります
- 3割負担が1割負担になります
- さらに所得に応じた1ヶ月あたりの「負担上限額」があります
- 私の場合は1ヶ月あたり10,000円でした
リワーク利用に関係なく、精神科・心療内科に通院している方は利用しないと絶対損です
申請の手順は「保健所で診断書・申請書をもらう⇒主治医に診断書を書いてもらう⇒保健所に提出」という流れです
自立支援医療制度を必ず利用しよう
リワークを利用する手順:まずは見学

利用するきっかけは3通りです
- 主治医に紹介される
- 職場(上司・産業医など)に勧められる
- 自分で利用しようかなと検討する
開始する手順は次のような流れです
- リワークを紹介される・自分でググる
- 連絡する
- スタッフと面談・見学して雰囲気や特色を確認する
- 主治医の紹介状などの必要書類を用意する
- 再度スタッフと面談し利用頻度などを決めて利用開始
とりあえず「リワーク 自分の住んでる地域」でググってみます
通いやすい場所にあるリワークがあればホームページを見て、少しでも気になれば見学してみましょう
なんとなく自分に合わないなと思ったら別のところを探しましょう
継続して利用できなければ通う意味がありません
継続して通いやすいところを探して見学する
リワークのスケジュール例:フルタイム労働と近い負荷

私が利用したリワークの1日はこのようなスケジュールです
- ~9時 来所・自由時間
- 10時~ 軽い運動(ラジオ体操など)
- 10時半~ プログラム①
- 12~13時 昼休憩
- 13時~ プログラム②
- 15時~ フリータイム・個別相談
- 16時~ プログラム③
- 18時~ フリータイム・個別相談
- 19時 退所
10時間もの間リワーク施設にいることになります。通所時間を加えるとフルタイム労働に近い負荷がかかります
【負荷】
家で休むだけ <<< 超えられない壁 <<< リワーク ≦ フルタイム労働
復帰してフルタイムで働くとなると、8~10時間は拘束されます
それを見込んだスケジュールを組んでいるところが多いです
フルタイム労働と同等の負荷なので初めは結構キツい
リワークのプログラム内容:グループで行うものが多い

- コミュニケーションのトレーニング
- 自分でテーマを決めて取り組むプログラム(読書・PC作業など)
- 医師の講義(メンタル疾患の知識・ストレス対処法などが主なテーマ)
- 運動療法
- レクリエーション(映画鑑賞・料理・フリートークなど)
- グループワーク(ディベート・体験談などの話し合い)
- うつに至った状況・今後の対策を、スタッフとメンバーに発表してアドバイスをもらう
- 認知行動療法
基本的にグループで行うプログラムがメインです。メンバーには様々な方がいて、メンタル疾患の種類や病状も異なります
そういう意味では職場と近い環境です。当然メンバーやスタッフとの対人関係でのストレスを感じることもあります
職場復帰のリハーサルとしてはうってつけです
職場に近い環境でプログラムを受けられる
リワークで学べて良かったプログラム:認知行動療法

認知行動療法とは、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種
認知行動療法はアメリカでうつ病の方のために作られた治療法です
抗うつ薬と同等かそれ以上の効果があると言われています
私はリワークで認知行動療法を学んで実践しました。認知行動療法では、まず自分の「認知の歪み」を知ることから始まります
認知の歪みについては、下記の記事に詳しくまとめています
認知行動療法を実践してから、ストレスを感じる状況においても、柔軟な思考と適切に行動することを身につけられました
また認知行動療法には、ストレスを感じた状況・思考を分析して柔軟な思考を手に入れる魔法のツールがあります。↓の記事で徹底的に詳しく紹介しています
ぜひ認知行動療法を学んで実践しよう
リワークで有益では無いと感じたプログラム:レクリエーション

有益なプログラムばかりではありませんでした
私にとってレクリエーション的なプログラム(映画鑑賞・カラオケ等)は、全く効果がありませんでした。理由は得られる学びがほぼ無かったからです
メンバーの病状は様々なので、このようなプログラムがあるのは理解できます
でも興味のない映画を見るだけなんて、ただただ退屈で苦痛でした
今振り返れば「苦痛なことをいかに我慢してこなすか」という観点で学びを得られれば良かったと感じます
病状によっては有益ではないプログラムもある
リワーク利用における注意点:あくまで手段。目的は復職&継続就労

リワークを利用する際は次のことに注意しましょう
- 同じ悩みをもつメンバーと馴れ合いの関係になってしまいがち
- 長くいると居心地が良いと感じてしまう
- リワークはあくまで手段であり、目的は「復職し継続就労すること」
リワークのプログラムをうまくこなすことは重要ではありません
休職前の状況を分析し、復職後の対策を考え失敗しながらでも実践を繰り返すことが重要です
失敗から学ぶことは大きいです
長い期間通っている「リワークの主」のような人もいますが、自分は自分。決して目的を忘れないよう意識しましょう
リワークに通うこと自体が目的ではない
リワークをより効果的に利用するコツ:スタッフを上手く活用

スタッフを上手く活用することがリワーク利用において効果的です
なぜならスタッフは専門的な知識を持っており、多くの休職者の事例を扱っているからです
リワークではスタッフから様々な課題が与えられます。1ヶ月もしないうちに彼らが上司のように思えてきます 笑
同じお金を払うのであれば、スタッフに貪欲にアドバイスを求め、相談しにいく姿勢を持ちましょう
私は人に頼ることが苦手でした。具体的には「相談すること」に引け目を感じてしまう傾向がありました
そういう意味で、リワークでスタッフに相談することは、復職後に向けた良い練習になりました
スタッフをこき使うくらいの気持ちで臨む
まとめ:復職にはリワークが有効な手段

失敗しない復職にはリワークの利用が一番の近道です
リワークについて体験談を交え詳しく書きました
- リワークの意味:職場復帰の支援
- メリット:失敗しない復職の準備ができる
- 利用するタイミング:状態が上向きになった時
- 費用:自立支援医療制度で1割負担に。私の場合は月1万円ほど
- 利用する手順:まずは見学から
- 1日のスケジュール:フルタイム労働と近い負荷
- プログラムの内容:グループで行うものが多い
- 学べて良かったプログラム:認知行動療法
- 有益では無いと感じたプログラム:映画鑑賞・カラオケなど
- 利用における注意点:あくまで手段。目的は復職&継続就労
- より効果的に利用するコツ:スタッフを上手く活用
上手にリワークを活用すれば必ず復帰できます
絶対大丈夫。へっぽこな自分でも復職できたのですから。ご質問などはなんなりとお気軽にお問い合わせください
最後まで読んでいただきありがとうございました